小学校のドローン出張授業|尾久西小5年生の総合学習レポート
2026/10/15
執筆:平岩勇介(株式会社スカイブレックス代表取締役/一等無人航空機操縦士/修了審査員)
2026年10月15日実施
この記事の結論
- 荒川区立尾久西小学校の5年生(3クラス・約90名)に、総合的な学習の時間でドローン出張授業を行いました。
- 操縦する児童だけでなく、待っている児童も「ナビゲーター」として声で誘導する仕組みで、全員が参加しました。
- 結果は100点が2名、90点が4名、80点が10名。初めての児童が多いなかで高得点が続きました。
実施概要
| 実施日 | 2026年10月15日(木) |
|---|---|
| 学校・学年 | 荒川区立尾久西小学校 5年生(3クラス・約90名) |
| 教科 | 総合的な学習の時間 |
| 授業時間 | 45分 |
| 会場 | 学校の体育館 |
| 使用機体 | 100g未満の屋内用小型ドローン |
| 講師 | 2名(スカイブレックス KIDS DRONE 西尾久校) |
授業のねらい
学校の先生方と相談し、次の3つをねらいとしました。
1. 全員参加のチームビルディング
操縦できるのは1回に1人です。そこで、待っている児童は着陸地点やゲートの横に立ち、「ゆっくり下ろして!」「ゲートまであと少し!」と声で誘導するナビゲーター役を担当します。班の全員で1つのミッションに挑むことで、協調性を育みます。
2. 地域課題と結びつく探究学習
荒川区には、木造住宅が密集する地域や、隅田川・荒川などの河川があります。「自分たちの街でドローンをどう使えるか」を考えることで、テクノロジーと地域の課題を結びつけ、自由な発想と課題解決力を育みます。
3. 最新テクノロジーへの興味
本物のドローンの仕組みや、社会での活躍に触れることで、理科・社会・プログラミングなどの学びへの探究心を育みます。
当日の流れ
| 順番 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | ドローンクイズ | 点検・物流・農業・防災・撮影など、ドローンの仕事を知る |
| 2 | 操縦方法と安全の約束 | コントローラーの使い方と5つの約束を確認 |
| 3 | チーム対抗!ドローンミッション | メイン活動。全員が操縦する時間を確保 |
| 4 | ドローンシュート | 時間があれば挑戦 |
| 5 | 本物のドローンで記念撮影 | 全員でカメラに手をふる |
クイズでは「プロペラはなぜ4つ?」という問題も出しました。正解は「右回りと左回りで回転の力を打ち消すため」。理科の「力のはたらき」につながる問いで、多くの児童が「見た目がかっこいいから」と予想していたのが印象的でした。
安全管理:5つの約束
当校は、ドローン運用時の応急手当講習「DEC」を東京で唯一開催しているスクールです。授業でも、操縦の前に必ず安全の約束を確認しています。
- プロペラにさわらない(回っていなくても)
- あぶない!と思ったら手をはなす(機体はその場で止まって浮かぶ)
- 「ストップ」の合図で全員が止まる
- 飛んでいる機体に近づかない(線の外で待つ)
- 落ちた機体は先生が拾う
さらに、コースの両側に「この線から先に入らない」待機ラインを引き、操縦者の隣には必ず講師が立ちました。次に操縦する2人は操縦者の後ろで待ち、画面で操作方法を確認してから交代します。
全員が夢中になるミッションの設計
ミッションは、立ち位置から2m先のホームポイントで離陸し、7m先のゲート(高さ1m)をくぐって、5m先の着陸パッドに着陸するコースです。ゲートから着陸までは「自由ルート」とし、上下左右どう動くかを自分で考えます。
- 着陸した場所の点数がそのまま得点(中心は100点)
- ゲートをくぐれなかったら点数は半分
- 高さは2mまで、目標は1分以内の着陸
- 練習時間は30秒
得点は児童自身が得点表に記入し、4人ごとに小計、最後に合計を出してチームの勝敗を決めます。計算も記録も児童が担うことで、ゲームの中に算数と役割分担が自然に入る設計にしました。
当日の結果
事前に聞いたところ、ドローンを操縦したことがある、または実際に見たことがある児童は約4割でした。それでも操縦は上手で、高得点が続きました。
| 得点 | 人数 |
|---|---|
| 100点 | 2名 |
| 90点 | 4名 |
| 80点 | 10名 |
| 80点以上の合計 | 16名 |
ナビゲーターの「もう少し右!」という声に合わせて機体を動かし、着陸が決まるたびに大きな拍手が起きました。最後の記念撮影では、本物のドローンのカメラに向かって全員が手をふり、授業でいちばんの盛り上がりのまま終了しました。
荒川区で、ドローンはどんな仕事ができる?
授業の最後に、児童たちへ「わたしたちの街・荒川区なら、ドローンでどんな仕事ができるかな?」と問いかけました。たとえば、木造住宅が多い地域の屋根の点検、河川の見回り、災害時の状況確認などが考えられます。
児童たちから出たアイデアは、後日あらためて答え合わせを行います。その内容は、この記事に追記してご紹介します。
次回はステップアップ授業を計画中
- ドローンプログラミング:PCやタブレットで、ドローンを自動飛行させるプログラムを作り、論理的思考力を育てます。
- 防災ドローン:災害時にドローンがどう活躍するかを、実践的に学びます。
学校・教育関係者の方へ:よくある質問
Q. 体育館でドローンを飛ばすのに、許可は必要ですか?
A. 体育館などの屋内での飛行は、航空法の飛行許可の対象外です。今回は100g未満の小型機を使用し、待機ラインと講師の配置で安全を確保しました。
Q. 何年生から授業ができますか?
A. 当校は小学1年生から中学3年生までの指導実績があります。学年に合わせて、ルールやコースの難しさを調整します。
Q. 1学年全員でも、全員が操縦できますか?
A. 今回は5年生(3クラス・約90名)を対象に、45分の授業で実施しました。2コース同時に進め、待っている児童はナビゲーターとして参加するため、全員が操縦と応援の両方を体験できます。
Q. どの教科とつなげられますか?
A. 総合的な学習の時間(地域・職業の探究)のほか、理科(力のはたらき)、算数(得点の計算)、プログラミング教育とつなげられます。
執筆者・講師
平岩勇介(株式会社スカイブレックス代表取締役)
一等無人航空機操縦士/修了審査員。国土交通省登録講習機関「JUAVACドローンエキスパートアカデミー東京サテライト校」と、小中学生向け「スカイブレックス KIDS DRONE 西尾久校」を運営。東京で唯一のドローン応急手当講習(DEC)を開催し、2026年4月からはドローンシュートを普及する日本ドローンシュート協会 東京支部としても活動しています。
当店でご利用いただける電子決済のご案内
下記よりお選びいただけます。

