紙飛行機の実験レポート|ダヴィンチマスターズ
2026/10/10
2026年10月4日(日)、お茶の水女子大学で開催された親子イベント「ダヴィンチマスターズ Vol.123」で、Aコース「紙ひこうきが大へんしん!? ドローンの『飛ぶヒミツ』をさぐろう!」を担当しました。
午前の部85名、午後の部75名、あわせて160名の子どもたちが、紙飛行機を作って、飛ばして、比べる実験に挑戦しました。
この記事では、当日の実験結果と子どもたちの様子、そして紙飛行機とドローンに共通する「飛ぶしくみ」をご紹介します。
この記事のポイント
- 当日いちばん遠くまで飛んだのは折り紙で折った「やり飛行機」でした
- 紙飛行機は翼で空気を受けて飛び、ドローンは4つのプロペラを回して空気の力を自分で作って飛びます
- どちらも「揚力・重力・推力・抗力」という4つの力で説明できます
イベント概要
| イベント名 | ダヴィンチマスターズ Vol.123 |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月4日(日)午前の部・午後の部 |
| 会場 | お茶の水女子大学(東京都文京区) |
| 主催 | 一般社団法人ダヴィンチマスターズ |
| 後援(イベントに対して) | 文部科学省/東京私立初等学校協会/一般財団法人算数オリンピック委員会 |
| 参加人数 | 午前85名・午後75名(合計160名) |
| 当社の担当 | Aコースのプログラム提供(協力) |
ダヴィンチマスターズは、子どもたちの「非認知能力」を育むことを目的とした体験型の親子イベントです。当社は、文部科学省の後援を受けたこのイベントに、プログラムの提供という形で協力しました。
飛ぶものには「4つの力」がはたらいている
実験の前に、まず「飛ぶしくみ」の基本を学びました。紙飛行機にも、本物の飛行機にも、ドローンにも、飛んでいる間は次の4つの力がはたらいています。
| 力の名前 | はたらき | 紙飛行機の場合 |
|---|---|---|
| 揚力(ようりょく) | 上に持ち上げる力 | 翼が空気を受けて生まれる |
| 重力(じゅうりょく) | 地球が下に引く力 | 紙やクリップの重さ |
| 推力(すいりょく) | 前に進む力 | 手で投げたときの勢い |
| 抗力(こうりょく) | 空気が動きを止めようとする力 | 機体の形で大きさが変わる |
紙飛行機がよく飛ぶかどうかは、この4つの力のバランスで決まります。
当日の流れ
- どの紙飛行機がよく飛ぶか、予想を立てる
- へそ飛行機を作る
- 紙の種類を変えて飛ばし、比べる
- やり飛行機を作り、形のちがいを比べる
- 飛ぶしくみとドローンのつながりを学ぶ(講師によるデモ飛行)
「予想する → 試す → 比べる → 理由を考える」という、理科の実験と同じ順番で進めました。
実験①:紙の種類を変えると、飛び方はどう変わる?
折り方をすべて「へそ飛行機」にそろえ、次の3種類の紙で飛ばしました。
- 折り紙
- 新聞紙
- 折り紙+クリップ(先頭に付ける)
比べるときは、条件をそろえることが大切です。子どもたちには「投げる強さや向きは、なるべく同じにしよう」と伝えました。
解説:クリップを付けるとどうなる?
機体の先頭にクリップを付けると、重さの中心(重心)が前に移ります。重心が前にあると機首が上がりすぎにくくなり、まっすぐ前に進みやすくなります。
実験②:折り方(形)を変えると、飛び方はどう変わる?
次に、紙を同じ「折り紙」にそろえて、2種類の折り方を比べました。
| 種類 | 形の特徴 | 飛び方の傾向 |
|---|---|---|
| へそ飛行機 | 翼が広く、空気を受けやすい | ゆっくりと、ふわっと飛びやすい |
| やり飛行機 | 細長く、空気の抵抗(抗力)が小さい | まっすぐ速く飛びやすい |
結果:いちばん遠くまで飛んだのは「折り紙のやり飛行機」
当日、もっとも遠くまで飛んだのは
折り紙のやり飛行機
参加160名の実験から
やり飛行機は細長い形のため、空気の抵抗が小さく、投げたときの勢い(推力)を保ったまま前に進みやすくなります。一方、へそ飛行機は翼が広く、空気をたくさん受けられるため、「遠く」よりも「ゆっくり長く」飛ぶことが得意な形です。
つまり、「どれがいちばんすごいか」は、目的が「距離」か「滞空時間」かによって変わります。この点に気づくことが、今回の実験でいちばん大切な学びです。
子どもたちの様子:苦戦も、待ちきれない気持ちも、探究のはじまり
折るのに苦戦する子も
やり飛行機は折る工程が多く、手が止まってしまう子もいました。そこで「折り目を指でしっかりつぶす」ことを一緒に確認すると、左右の形がそろい、飛び方が安定していきました。きれいに折ることも、よく飛ばすための大切な条件のひとつです。
「早く飛ばしたい!」順番が待ちきれない
作り終えた子どもたちからは、「早く飛ばしたい!」という声が次々に上がりました。自分の作った機体がどう飛ぶのか確かめたいという気持ちは、まさに探究心そのものです。安全のために「先生の合図で飛ばす」「人に向かって投げない」という約束を守りながら、順番に実験を進めました。
ドローンは「知っているけど、触ったことはない」
ドローンの存在は多くの子が知っていましたが、実際に触ったことがある子は少数でした。講師のデモ飛行が始まると会場の視線が一気に集まり、「ドローンを飛ばしたい!」「やってみたい!」という声がたくさん聞かれました。
紙飛行機とドローンのつながり
実験のまとめでは、子どもたちにこう問いかけました。
「ドローンには紙飛行機のような大きな翼がないのに、どうして浮かぶと思う?」
答えは、プロペラが「ぐるぐる高速で回る小さな翼」だからです。
| 紙飛行機 | ドローン | |
|---|---|---|
| 揚力の生まれ方 | 投げた勢いで、翼が空気を受ける | 4つのプロペラを回して、空気の力を自分で作る |
| 推力 | 手で投げる力 | モーターの力 |
| バランスのとり方 | 折り方や重心(クリップの位置) | 4つのプロペラの回転の速さを調整する |
紙飛行機で確かめた「空気の力」と「バランス」は、ドローンや本物の飛行機、そして未来の「空飛ぶクルマ」でも同じように使われています。
おうちでできる追加実験
イベントの後も、ご家庭で研究を続けられます。
| 実験 | やり方 | 観察のポイント |
|---|---|---|
| クリップの位置 | 先頭・真ん中・後ろに付けて比べる | まっすぐ飛ぶのはどれ? |
| 翼の後ろの角度 | 翼の後ろのはしを少しだけ上に曲げる | 機首の上がり方はどう変わる? |
| 紙の大きさ | 同じ折り方で、紙の大きさを変える | 距離と滞空時間はどう変わる? |
安全の約束
- 人や動物に向けて投げない
- 周りに人がいない広い場所で飛ばす
- 屋外では風の弱い日に行う
よくある質問(FAQ)
Q紙飛行機がよく飛ぶのはなぜですか?
A翼が空気を受けて「揚力(上に持ち上げる力)」が生まれるからです。揚力・重力・推力・抗力の4つの力のバランスが良いほど、よく飛びます。
Qへそ飛行機とやり飛行機は、どちらが遠くまで飛びますか?
A今回の実験では、折り紙のやり飛行機がいちばん遠くまで飛びました。細長い形で空気の抵抗が小さいためです。へそ飛行機は、ゆっくり長く飛ぶことが得意な形です。
Qクリップを付けると、なぜまっすぐ飛ぶのですか?
A重さの中心(重心)が前に移り、機首が上がりすぎにくくなるため、まっすぐ前に進みやすくなります。
Qドローンには大きな翼がないのに、なぜ浮くのですか?
A4つのプロペラが「高速で回る小さな翼」として空気を下へ押し出し、上向きの力を自分で作っているからです。
保護者の方へ
今回のプログラムでは、「予想 → 実験 → 比較 → 考察」の流れを大切にしました。思いどおりに飛ばなかったときに「なぜだろう?」と考え、もう一度試してみる。その繰り返しが、ものごとを筋道立てて考える力につながります。
「ドローンを飛ばしてみたい」という気持ちが芽生えたお子さまは、ぜひ実際にドローンに触れてみてください。
この記事を書いた人
平岩 勇介株式会社スカイブレックス 代表取締役
一等無人航空機操縦士。JUAVACドローンエキスパートアカデミー東京サテライト校と、スカイブレックス KIDS DRONE 西尾久校を運営。子ども向けのドローン体験には、これまでのべ500名以上が参加。2児の父。
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SkyBrexドローンスクール(運営:株式会社スカイブレックス)
├ JUAVACドローンエキスパートアカデミー東京サテライト校(大人向け)
└ スカイブレックス KIDS DRONE 西尾久校(子ども向け)
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